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退職の時 - 税理士法人水垣会計パートナーズ|東京都足立区・葛飾区の会計・税務事務所

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今月のコラム

退職の時

カテゴリ: 今月のコラム 作成日:2022年10月11日(火)

 

 10月4日の雨を境に季節が一変しました。誰かが日本列島の窓を思い切り開けて、寒気を呼び込んだようです。服装は半袖からスーツに変わりました。朝夕のヒンヤリした空気で、季節が一気に進みます。

 さて、この頃では日々の仕事は皆に任せ、仕事の第一線からは距離をおいています。仕事らしい仕事もしていません。若い世代に道を譲り、皆の邪魔にならないようにしていることが仕事といえば仕事です。そんな時、思い出すのは若き日のことです。顧問先の社長も若く、それぞれ自分の仕事に情熱を持っていました。一国一城の主として個性豊かな社長がたくさんいらっしゃいました。仕事では何かとご苦労も多かったはずですが、それでも会社はいつも活気に溢れていました。下請や孫請の町工場も、したたかに生き抜いていました。そんな経営者の姿を間近で見ることができ、そして直にお話をお聞きすることができるのはこの仕事の醍醐味の一つです。また、税金の世界は経営者の本音を垣間見ることができる仕事でもあり、色々学びました。

 そんな個性豊かな経営者の方々からお聞きするお話の中でおしなべて共通の話題がありました。それは自分が60歳になったら現役を引退するというお話でした。その話を聞いた時には、創業者が多くサラリーマンのように60歳でスッパリ自分の会社から身を引くことができるかなぁと少々疑問に思いました。そう言うと、皆さん決まって自信ありげに自分は絶対引退すると明言しました。

 当時は、社長ご自身もまだ若くバイタリティーに溢れていて、具体的な後継者候補が居た訳ではありませんでした。それよりは、60歳までにはまだ時間はたっぷりあるので、その頃までには後継者なんて何とでもなると思っている社長がほとんどでした。60歳引退は、日々身体を張って仕事をしているので、そうそういつまでもこの仕事を続けていられないという思いと、一生懸命頑張っているのでそのご褒美に仕事から解放され少しは自分の時間を持てるようになりたいという思いがあったのでしょう。

 やがて時が経ち、社長たちも60歳に近づき、60歳を過ぎる頃には、60歳引退の話題は消えました。はるか遠くに思えた60歳も気づけばあっという間でした。かつて自分は絶対引退すると明言していたことは忘れ、まだまだすることがある、まだ後継者も何も決まっていない、引退したくとも引退できないという話題に変わりました。そりゃ、いつかは引退するけど、それは今じゃない!

 そもそも、サラリーマンが長年勤めた会社を定年退職するのと、創業者が自分の会社を退職するのでは大きな差があります。創業者にとって会社はただの会社ではなく、自分が心血を注いだ存在で、自分の分身です。だからこそ、自分のためではなく会社のために決断することが大切なのでしょう

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