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老害 - 税理士法人水垣会計パートナーズ|東京都足立区・葛飾区の会計・税務事務所

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今月のコラム

老害

カテゴリ: 今月のコラム 作成日:2022年09月26日(月)

 

 台風14号が日本列島を縦断しましたが、今年はこれで打ち止めにして欲しいものです。

 さて、この歳になると老害という言葉にナーバスになりますが、とりあえず今回は私のことではありません。日本電産㈱の永守重信会長のお話です。

永守氏は1973年京都で創業し、プレハブ小屋の会社を一代で精密モーターの分野で世界有数の会社にまで育て上げた立志伝中のカリスマ経営者です。日本電産の経営にとどまらず、積極的なM&A戦略で苦境に喘ぐ会社を次々に再生し、会社再生に力を発揮したことでも有名です。あまたの経営者の中でも異才を放つ存在です。

そのカリスマ経営者が70歳にさしかかったころ頃、世間並に後継者を育成しようと思ったようですが(少々遅かったように思います)、今から思えばそれが名経営者の迷走の始まりになりました。

 2013年、当時のカルソニックカンセイの元社長呉文精氏を後継者候補として副社長に迎えました。その翌年2014年には、シャープの元社長片山幹雄氏を後継者候補として副社長に迎えました。2人ともお気に召さなかったようで、2015年には、日産の元社長吉本浩之氏を今度は社長に迎えました。まるでトランプでもしているかのように、3年連続で矢継早に後継者候補を入れ替えました。

 2020年には吉本氏と同じく元日産の関潤氏を社長に迎えました。周囲からは今度こそと期待されましたが、残念ながら結果は同じになりました。トップクラスの外部人材を次から次にヘッドハンティングして後継者にしようとしましたが、一緒に仕事をすると何故かすぐにお気に召さなくなるようです。「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」というのが日本電産の企業理念だそうですが、まさに企業理念を実践しているかのようです。

  ヘッドハンティングした後継者はすぐ辞める。

  後継者だと言って迎えたのに後継者は必ず辞める。

  何度もヘッドハンティングして、懲りずに同じことを繰り返す。

 名もない零細企業を世界一流の大会社にまで育て上げた強烈な個性のカリスマ経営者が、そのお眼鏡に適う後継者を育てることがいかに難しいかという典型です。何でも自分自身を基準にして考えてしまい、自分の分身のような後継者を捜しているかのように思えますが、そこに無理があります。自分自身を完コピしたような後継者なんてどこを捜してもいるはずがありませんが、とにかく創業者の陥り易い思考の落し穴です。真の問題は後継者ではなく、自分自身にあると気づくべきです。

 社内では雲の上の殿には近寄り難く、殿のご乱心を諫められる人もいないようです。2023年、今回は創業当時のメンバーの中から小部博志氏を後任社長に指名しました。小部氏には大変失礼ながら、殿が社外の人材から社内の人材に目が転じた結果の人選というより、打つ手に窮し、苦し紛れのその場しのぎの人選としか思えません。

 これまで名経営者として誉れ高き経営者ですが、このままではさすがの名経営者も晩年はすっかり迷経営者になってしまったねと言われかねません。つべこべ言わずに後継者にバトンタッチすべきです。

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