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経営責任 - 税理士法人水垣会計パートナーズ|東京都足立区・葛飾区の会計・税務事務所

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今月のコラム

経営責任

カテゴリ: 今月のコラム 作成日:2022年07月22日(金)

 

 7月8日、奈良で参議院選挙の応援演説中に安倍元首相が銃で撃たれ死亡しました。犯人の勝手な思い込みによる理不尽な犯行ですが、日本の要人警護の未熟さを露呈した事件でもありました。安倍元首相の命を守れなかったのは痛恨の極みです。古い映画ですが、ロバート・デ・ニーロ主演の『タクシードライバー』を想い出します。要人暗殺・要人警護は米国映画ではよく扱われますが、要人警護の最優先は要人の命を守ることであり、犯人を逮捕することではありません。警察は映画を観て学ぶ必要があります。それはともかくとして、突然の凶弾に倒れた安倍元首相のご冥福をお祈り致します。

 さて、7月13日には東電の福島第1原子力発電所事故の株主代表訴訟で、旧経営陣4人(元会長・元社長・元副社長2人)に対して13兆3210億円の賠償金支払を命じる地裁判決がありました。旧経営陣は大企業の経営者として在職中は絶大な権力を有し、多額の役員報酬を受け取っていた人たちです。しかし、個人が支払う賠償金としては桁違いに巨額です。とても支払える金額ではないので個人破産することになりそうですが、その前に控訴して延々と法廷闘争を繰り広げるのでしょう。

 判決では、旧経営陣は巨大津波に備えて適切な津波対策を講じるべき立場にあったにも関わらず、適切な対策を講じなかった。取締役として本来の任務を懈怠し、会社に重大な損害を与えたと認定されました。巨大津波の予見可能性については判断が難しいところですが、改めて経営責任の重さを痛感させられる判決です。他の上場企業の経営者にも警鐘を鳴らす判決です。上場企業の約9割は、こんな事態に備えて会社役員賠償責任保険に加入しているそうです。東電は津波対策は講じませんでしたが、役員の賠償責任対策は講じていたことでしょう。ただ、保険金は13兆円までは掛けていなかったと思います。旧経営陣にとって巨大津波も想定外なら、巨額賠償金も想定外だったでしょう。

 一般的に、経営者が経営者として何をしたかについては、したことの実績があるので可視化しやすく、結果等からもその是非を判断することは比較的容易です。それに反して、今回のように経営者が経営者としてやるべきことをやらなかった場合のその是非の判断はそう簡単ではありません。タラ・レバではありませんが、不作為を評価するためどうしても仮定評価になります。後付けの結果だけで論ずるのであれば、何とでも言えます。

 言うべきことを言わず、言われたことしかやらない企業風土の中で、経営者はこれまでのような前例主義や先送り主義から脱し、改めて経営責任の意味を自分自身に問う必要があるのでしょう。中小企業では株主代表訴訟で経営者の責任が問われる心配はありませんが、新型コロナに物価上昇・価格転嫁、資金繰りに人の採用等々経営者にとって心配の種は尽きません。何かと大変ですが健康に注意してこれからも頑張りましょう。会社にはあなたが必要です。

 

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