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ハンコ文化 - 水垣公認会計士・税理士事務所|東京都足立区・葛飾区の会計・税務事務所

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今月のコラム

ハンコ文化

カテゴリ: 今月のコラム 作成日:2020年06月24日(水)

 梅雨になり、マスクがますます鬱陶しい季節です。昨年の今頃は、傘は必要でもマスクは必要なかったと思うと、余計に鬱陶しくなります。今のところ、どんなに鬱陶しくとも外出時や人とお会いする時には必需品で、新たなマナーの一つです。

 IT企業や大企業の中には、コロナ感染症対策の一環で積極的にテレワーク等を導入した企業がありますが、新たな働き方として今後も定着させる動きが拡がっています。会計事務所も世の中の変化に合わせ、働き方を見直して行きたいところですが、喉元過ぎれば何とやらで、さしたる変化もなく旧に戻りつつあります。せっかくの変化の好機に乗り遅れ気味です。

 さて、先日の新聞に、日本企業独特の『ハンコ文化』が在宅勤務の壁になっているという記事が載っていました。『ハンコ文化』は日本企業の専売特許ではなく、日本のお役所仕事の全般にも浸透しています。企業間の書類や役所の提出書類は勿論、企業や役所の内部書類にもやたらハンコが必要です。いくら在宅勤務だからといって、社印や公印をむやみに自宅に持ち帰ることなど出来ません。そんな事をして、万が一、不祥事でも起これば管理体制の杜撰さが問われます。『ハンコ文化』は在宅勤務の障害になるだけではなく、日本のデスクワークの低生産性の象徴でもあります。

 そんな『ハンコ文化』の記事を読んで、私の頭に浮かんだのは税務申告書の『署名押印』のことでした。今でこそ、事務所の税務申告はすべて電子申告ですが、かつては紙ベースで申告していました。社長、経理責任者、税理士が署名押印した申告書を税務署等に申告していました。署名押印は、税務申告前の厳粛なセレモニーでもあり、それぞれがそれぞれの立場から改めて自分の責任を自覚する良い機会でもあったように思います。そう思うと、署名押印には大切な意味がありました。今の電子申告は、そんな昔を知る者にとっては少し物足りないような思いもあります。

 電子申告導入初期は、決算期の到来した会社毎に個別にご説明し、ご協力をお願いしました。皆さんへのご説明が一廻りするだけでも、一年かかりました。快くご理解頂き、スンナリ移行できた会社もありましたが、『署名押印』の厚い壁がありました。今まで通りで何の問題もないのでそんな必要はない、会計事務所が楽するだけで会社には何のメリットもない、署名押印は決算の最終確認の機会だから省略したくない等、今思い出しても色々な反応がありました。何だかんだと数年かかりましたが、電子申告の導入はとかく変化に乏しい会計事務所の仕事に、多くの変化をもたらしました。今では『署名押印』の経験のない社長も増えていることを思うと、隔世の感があります。

 変化の必要性は、時代の大きな潮流の中で、マクロの目で見なければ見えては来ません。目先のことだけ考えるとミクロの目になり、ミクロの目は変化を受け入れない拒絶の目になりがちです。今後、ウィズ・コロナの時代になり、あらゆる分野で新常態が生まれようとしていますが、マクロの目で変化を捉え、対応して行きたいものです。

 ちなみに、マクロの目とマグロの目は違います。

 

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