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プロの責任 - 水垣公認会計士・税理士事務所|東京都足立区・葛飾区の会計・税務事務所

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今月のコラム

プロの責任

カテゴリ: 今月のコラム 作成日:2020年06月10日(水)

 5月25日㈪、緊急事態宣言がすべて解除されました。閉塞感からの解放という意味ではホッとしましたが、だからと言って手放しで喜べる状況ではありません。いつ、どこで新たなクラスターが発生するのか、第2波・第3波はあるのか等々気にしながらの社会活動の再開で、まだまだ油断できません。特に東京では、夜の街の解禁もあって、日々の感染者数は思うように減少していません。

 さて、コロナショックで、どこもかしこもアゲンストの風を受けて苦しんでいますが、フォローの風を受けている業界があります。社会保険労務士業界は今まさにフォローの風が吹いています。

 過去にも助成金ブームの時に、その申請業務で潤ったことがありました。業界は成功報酬制でホクホクでした。それも今は昔となって久しくなりましたが、新型コロナウイルスで復活しました。新型コロナウイルス対応で休業を余儀なくされた会社の多くは、雇用調整助成金の申請を行います。自社で行う会社もありますが、外部に申請手続を委託する会社も多くあります。そうなると社会保険労務士の出番です。おかげで社会保険労務士事務所には仕事依頼が殺到しています(小生の勝手な想像なので、中にはヒマな事務所もあるかもしれません)。他人の家の芝は青く見えると言いますが、税理士がひがんでいるように思われるかもしれません。しかし、インディアンが嘘をつかないように、税理士はひがみません。

 国はスピード感をもって申請手続を行えるようにとの配慮から、これまで煩雑と批判のあった申請手続を簡略化し、更に社会保険労務士に課せられていた連帯責任を解除することにしたという新聞記事がありました。何故、社会保険労務士の責任を解除する必要があるのか理解できません。スピード感というのであれば申請手続を簡略化して、お役所の尻を蹴っ飛ばせば良いのであって、社会保険労務士の責任解除はまったく別個の問題です。不正行為等があっても、社会保険労務士の連帯責任を問わず、目をつぶるというのは何ともあきれた対応です。モラルハザードが心配です。申請手続が簡略化された上に、行為責任も問われないとなれば、業界にとってはまさに棚ぼたのようなビジネスチャンスの到来です。気楽な、おいしい仕事です。

 しかし、職業的専門家と言われるプロであれば、どんな時であっても自分の仕事に関してプロとして責任があるはずです。プロとしての責任の重さは、プロとしての社会的役割の重さの証でもあり、プロの責任は社会からの信頼に正比例します。責任のない仕事にロクな仕事はありません。そもそも、自分の仕事に責任を負う必要がないのなら、プロの存在価値すらありません。勿論、今回の特例措置は国が勝手に決めたことで、社会保険労務士会が要請したことではないのでしょうが、いくらコロナ対応とは言え支離滅裂です。正気の沙汰とは思えません。新型コロナウイルス対応で苦慮しているのは税理士も同じです。国税庁あたりでも負けじと税理士のための特例措置を水面下で検討しているのでしょうか? 同じ士業なのに不公平だから、ついでに税理士の責任も解除してやろうなんてネ。

 上を向いて歩いていれば、棚ぼたチャンスに巡り合えるかもしれません。 


 

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