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先取り - 水垣公認会計士・税理士事務所|東京都足立区・葛飾区の会計・税務事務所

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今月のコラム

先取り

カテゴリ: 今月のコラム 作成日:2019年07月25日(木)

 

先月のこと、関東電気保安協会から保安管理業務委託手数料の請求があり、支払いました。事務所の屋上には変電設備があり、その保安管理業務を委託しています。余計なものが屋上にあるおかげで、余計な出費が増えます。毎月、担当者がやって来て、異常ありませんと点検結果報告書を置いてすぐ帰って行くだけなのですが…。

 

その手数料は月極で定額ですが、支払は年払いにしています。今回の請求書を見ると9月までは消費税8%分、10月以降は消費税10%分となっています。ご存知の通り、消費税法の改正は101日以降ですが、関東電気保安協会では改正前に消費税10%の請求をしています。消費税施行日前にも拘わらず、先取り請求しています。国会では野党が反対していますが、どうせ負け犬の遠吠え、安倍総理は今回は実施すると明言しているので、改正は間違いなしと判断しているのでしょう。万に一つの可能性もありませんが、もしも、消費税の改正が今回も見送られたその時は、先取りした分をお客様に返金すれば文句ないだろう。とりあえず8%で請求しておいて、101日の施行を見届け、その後に10%との差額を再請求するのは2度手間になる。先取りしておけば、事務負担は軽減される。関東電気保安協会にその真意を尋ねたことはないので、これは私の勝手な想像です…。

 

何かと文句の多い私ですが、今回は、関東電気保安協会の請求にいちゃもんをつけようとしている訳ではなく、税のお話をしようとしています。

 

税の取扱いでは、今回支払った保安管理業務委託手数料の年払額はいわゆる短期前払費用として、支払時に一括損金算入処理しています(少々問題がありますが)。しかし、消費税では注意が必要です。101日前の9月決算法人までは、決算時の消費税申告書には10%の新税率区分がありません(確認していませんが、ないと思います。)。だから、課税仕入を8%分と10%分に区分して仕入税額控除をすることができません。あくまでも、消費税法上は101日の施行日以前には10%の新税率は存在しない扱いになります。国税庁では、関東電気保安協会のように独断と偏見で勝手に法律の施行日前に新法を前倒し適用し、新法の取り扱いを行うことは出来ません。そんな事をすれば、袋叩きに遭うことでしょう。

そこで、このようなケースでは、8%分についてだけ仕入税額控除を行い、10%分の消費税については仮払金として処理します。そして、翌事業年度に控除することになります。取引先から請求があり、その通り支払っているのに何で支払った事業年度に控除できないんだという声が聞こえてきますが…。せっかくの短期前払費用ですが、法人税と消費税では取り扱いが異なり、少々面倒になります。これに関しては、別の方法もありますが、専門的になるので省略します。法律上、厳密な意味では問題があるのではないかと思いますが、実務的には、今後、関東電気保安協会以外にも施行日前に消費税10%の請求書を発行してくる会社があることでしょう。ご注意下さい。

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